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営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフローとは

営業活動によるキャッシュフロー(英語:cash flows from operating activities)とは、会社の本業における販売や仕入、製造の際に生じたキャッシュの増減を示したものです。「営業キャッシュフロー」とも呼ばれます。







営業活動によるキャッシュフローの見方をわかりやすく

キャッシュフロー計算書は、

@営業活動によるキャッシュフロー
A投資活動によるキャッシュフロー
B財務活動によるキャッシュフロー

の3つに分類されますが、このうち営業活動によるキャッシュフローが最も大切です。


営業活動によるキャッシュフローは、会社が本業で稼いだお金の増減なので、ここで多くのキャッシュを獲得していないと困る項目です。ゆえに、この項目の合計数字が大きい場合は、いい会社だと判断できます。キャッシュフローの健全な状態というのは、本業の営業活動で多くのキャッシュを生み出し、そのキャッシュを投資活動や財務活動にまわす形です。一方、営業活動でキャッシュが稼げない、または減少してしまうと、銀行から資金を借りたり、自社の資産を売却したりして、投資活動や財務活動によって資金をつくらなければならなくなります。

営業活動によるキャッシュフローは、つまり、本業がどれだけのキャッシュを生み出す力を持っているかを示しますので、その会社の実力を表します。ゆえに、営業活動によるキャッシュフローは多ければ多いほどいいです。違う言い方をすれば、プラスでなければダメな項目です。前期と比べてこの項目の合計数字が伸びていれば、今後の期待にも繋がります。

営業活動によるキャッシュフローが多ければ借入金の返済ができますし、設備投資や先行投資も行え、株主への配当も多くすることができます。

営業活動によるキャッシュフローは、売上高との割合で分析されることもあります。営業活動によるキャッシュフローの合計の数字は、売上高の7%から8%あれば標準だとされています。


営業活動によるキャッシュフローが減ってきている・・・

成熟した会社の場合、成長が鈍化して営業活動によるキャッシュフローが減ってきていることがあります。これは良くない状態で、先行投資するキャッシュがなくなってきますし、成長鈍化による競争力低下も懸念されます。キャッシュが減ってきてますので、借入金を増やすか増資に頼らなければ資金ショート(キャッシュがなくなって運転資金が不足する状態)して倒産することもあります。ゆえに、成長が鈍化している会社の営業活動によるキャッシュフローは、常にチェックしておく必要があります。






営業活動によるキャッシュフローがマイナス

営業活動によるキャッシュフローは、マイナスで出てくる会社もあります。一般的に、得られるキャッシュより支払いが多い経常赤字(受払の収支が赤字)の会社は営業活動によるキャッシュフローがマイナスで出てきます。この場合、銀行の融資か資産を売ってキャッシュをつくりますが、それを繰り返しているとキャッシュがなくなってしまって倒産してしまいます。営業活動によるキャッシュフローがマイナスということは、損益計算書で言えば「営業損失」と同じ意味です。

また、売上が伸びていて成長している会社でも、営業活動によるキャッシュフローがマイナスで出てくることがあります。企業同士の取引では、商品は渡したけれど、振り込みは数か月後ということが普通にあります。つまり、現金は数か月後しか入ってこないのです。これを「収支ギャップ(しゅうしぎゃっぷ)」といいますが、この収支ギャップによる影響が大きいと見れます。売上が急速に伸びている場合は、利益が出ていても営業活動によるキャッシュフローがマイナスで出てくることがあるのです。この場合は銀行の融資で収支ギャップを穴埋めするのが一般的ですが、銀行が貸してくれない場合は黒字でも倒産する可能性があるので注意が必要です。

景気敏感株は、業種によっては景気が悪くなれば営業活動によるキャッシュフローがマイナスで出てきやすいです。その際は決算書を見て個別に判断する必要がありますが、1期だけである場合はあまり問題はない場合が多いです。ただ、2期以上続けば収益性に問題がある可能性があるため、投資対象としての魅力はなくなります。また、グロース株(成長株)の場合は、将来に向けて在庫を増やしたり、収支ギャップで営業活動によるキャッシュフローが2期以上マイナスになることもあります。この場合も安全性に欠けてしまいますので注意が必要です。


総資産営業キャッシュフロー比率で経営の効率性を見る

その会社の経営の効率性を見るには、営業活動によるキャッシュフローと総資産(自己資本負債)の比率(総資産営業キャッシュフロー比率)を見ましょう。計算式は以下の通りです。


純資産営業キャッシュフロー比率(%)=営業活動によるキャッシュフロー÷総資産


この水準が高ければ高いほど、効率的な経営がされていると見ることができます。この数値が高いということは、少ない資産で多くのキャッシュを生み出せる力があるということを示します。資産を持ってお金を生み出すということは、資産内容をしっかり把握して、その資源を上手に生かして儲けている、つまり稼ぐ力があるということです。よって、同業他社と比較して、営業活動によるキャッシュフローと総資産の比率が高い方の銘柄に投資した方が期待が持てますし、そういった銘柄は人気が集まりますので株価上昇も期待できるといえます。






売上高営業キャッシュフロー比率とは

売上高営業キャッシュフロー比率とは、売上高に対する営業キャッシュフローの比率です。売上高に対して本業でどれだけ利益を上げたかを示す指標です。黒字倒産の危険性をチェックするための指標です。計算式は以下の通りです。


売上高営業キャッシュフロー比率(%)=営業活動によるキャッシュフロー÷売上高×100


売上高営業キャッシュフロー比率の見方と、営業利益率との違い

売上高営業キャッシュフロー比率は、営業利益率と似た指標で、計算式の通り、営業利益率の分子を「営業活動によるキャッシュフロー」に置き換えた指標ですが、意味合いが異なりますので解説します。

営業活動によるキャッシュフローは、会社が本業で稼いだキャッシュを示します。売上高が増えたからと言って、また利益が上がったからと言って、キャッシュが増えたとは言えません。上記で解説しましたが、それは「収支ギャップ」が影響するからです。中小企業の場合は収支ギャップで黒字でも倒産する可能性もあるため、売上高がキャッシュの裏付けになっているかをチェックするする必要があります。その指標が売上高営業キャッシュフロー比率です。つまり、安全性を見るための指標です。

売上高営業キャッシュフロー比率は高ければ高いほどいいです。売上高に対して、入ってくるキャッシュが多いということを示すからです。売上高営業キャッシュフロー比率が低い場合、支払いにあてる現金が不足していることをしましますので、利益が多く出ていても注意が必要です。会計上で利益が出ていても、キャッシュが入ってきていなければ正常な企業活動が行われていないと言えます。借入をしてしのぐほかありませんが、その借入が経営を圧迫する可能性があります。




ーキャッシュフロー計算書の表ー

 

1、営業活動によるキャッシュフロー
   税引前当期純利益
   減価償却費
   減損損失
   有価証券評価損
   貸倒引当金の増加額
   売上債権の増加額
   棚卸資産の増加額
   仕入債務の増加額
   支払債務の増加額
   受取利息及び受取配当金
   支払利息
     小計
   利息及び配当の受取額
   利息の支払額
   その他
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 営業活動によるキャッシュフロー


2、投資活動によるキャッシュフロー
   有形固定資産などの取得による支出
   有形固定資産などの売却による収入
   投資有価証券の取得による支出
   投資有価証券の売却による収入
   その他
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 投資活動によるキャッシュフロー


3、財務活動によるキャッシュフロー
   短期借入金の返済による支出
   長期借入金の返済による支出
   社債の発行による入金額
   配当金の支払額
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 財務活動によるキャッシュフロー


4、現金及び現金同等物の減少額
5、現金及び現金同等物の期首残高
6、現金及び現金同等物の期末残高


:姉妹サイト「株式投資大百科」の解説ページ

米国(アメリカ)のS&P500の営業活動によるキャッシュフローの推移はこちら

S&P500の営業活動によるキャッシュフローの推移は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで掲載しています。


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