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リスクオンとは・リスクオフとは・わかりやすく解説

リスクオン・リスクオフとは

リスクオンとは

リスクオン(英語:Risk on)とは、経済の成長や企業の業績拡大への期待が高まったり、地政学リスクが後退した際に、投資家が値上がり益を狙って株式新興国通貨など値動きの大きいリスク資産(危険資産)を買う動き(相場)のことです。


リスクオフとは

リスクオフ(英語:Risk off)とは、経済成長や企業の業績の先行き不安が高まったり、地政学リスクが高まった際に、投資家が株式や新興国通貨など値動きの大きいリスク資産を手放して、比較的安全資産とされている国債などに資金を振り替える動き(相場)のことです。






経済の解説

経済(けいざい)とは、経済主体が経済活動を行うことによって生じるお金の流れです。人間の生活に必要なモノやサービスを生産・分配・消費する行為についての社会的関係を意味します。

経済主体とは、経済活動を行うもので「家計」「企業」「政府(国)」の3つに大別されます。


地政学リスクの解説

地政学リスク(ちせいがくりすく)とは、「地政学的リスク(ちせいがくてきりすく)」とも呼ばれる、特定地域の政治・軍事・社会的緊張で、特定地域の経済や世界経済の先行きの不確実性が高まる状態・リスクのことです。地政学リスクが高まれば、投資家心理を悪化させ、企業の投資活動が消極的になる可能性があります。地政学リスクは、イラク情勢が悪化した際にFRB(連邦準備制度理事会)FOMC(連邦公開市場委員会)の声明文で、米国のイラク攻撃という地政学リスクの経済への悪影響を指摘したことをキッカケとして使われるようになりました。地政学リスクが実際に顕在化すれば、投資家はリスク資産の株式などを手放す動きが出やすくなります。


新興国通貨の解説

新興国(しんこうこく)とは、国際分業の体制下で原材料の生産や輸出に特化していて、先進国への依存度が高く、国民所得が相対的に低い国です。新興国は「開発途上国」「発展途上国」とも呼ばれています。ただ、それは過去よく使われていた用語で、近年は開発途上国で経済成長が進んでいる国が多いため、「新興国」と呼ばれるのが一般的となりました。新興国は、一般的にはOECDの下部組織であるDAC(開発援助委員会)が作成する「DACリスト(援助受取国・地域リスト)」第1部に記載されている国・地域を指すことが多いです。

通貨とは、政府が定めている「法定通貨(ほうていつうか)」のことで、流通している貨幣です。法定通貨とは、国(政府)に認められた通貨です。例えば、日本であれば、日本銀行が発行する日本銀行券(紙幣)と造幣局が製造して政府が発行する硬貨が法定通貨です。通貨は、紙幣と硬貨からなり、一般的には現金を意味します。新興国通貨とは、新興国の政府が定めている法定通貨を意味します。

通貨は、将来のために価値を蓄えておくことができる「価値の貯蔵」、必要としているものと同じ価値の通貨を支払えばそれが手に入る「交換・支払いの手段」、商品やサービスの価値を通貨に置き換えてすべての価値を一つの基準に比較できる「価値尺度」という3つの役割を有しています。


リスク資産(危険資産)の解説

リスク資産(りすくしさん)とは、将来得られる収益が不確実性を伴う資産です。リスク資産は「危険資産(きけんしさん)」とも呼ばれています。金融市場で取引されている大半の資産は、リスク資産に分類されます。特に株式はリスク資産の典型です。

金融市場とは、資本や信用を取引している市場です。株式市場や外国為替市場、債券市場、商品(コモディティ)市場などがそれにあたります。金融市場は、金融取引を利用する人の需要と供給をマッチングさせる場です。そこで成立した価格がその金融商品(株式や債券など)の価値が評価されています。それらの取引は記録されており、経済統計の基礎となり、さらに企業にとっては資金調達を行う場でもあります。企業は自社情報を開示して、金融市場で株式や債券を発行して資金調達しています。ゆえに、金融市場は企業情報を市場参加者に提供する場ともなっています。

さて、債券(固定利付債)は、元本(投資したお金)と利子が得られるため「無リスク資産(安全資産)」に分類されることが多いですが、償還前に債券の価値評価をする場合、債券価格は信用リスク(クレジットリスク)の変化で時価変動しますし、金利も変動することから、債券もリスク資産に分類されます。


無リスク資産(安全資産)の解説

無リスク資産(むりすくしさん)とは、将来において価格変動リスクがない資産です。無リスク資産は「安全資産(あんぜんしさん)」とも呼ばれています。将来において価格変動リスクがないので、無リスク資産は現時点で収益率が確定しています。リスクがない証券は存在しませんが、その中でも国が発行する債券である「国債」は、リスクが少ない安全資産として捉えられています。


信用リスク(クレジットリスク)の解説

信用リスク(しんようりすく)とは、「クレジットリスク」とも呼ばれる、債務不履行(デフォルト)になる危険(リスク)のことです。与信先(貸出先)の財務が悪化することによって、与信に係る資産の価値が減少、あるいは消滅するリスクを意味します。与信(よしん)とは、銀行が資金を供与することです。「信用供与(しんようきょうよ)」とも言います。

信用リスクは、簡単に言えば、貸し倒れになるリスクです。一般的には、銀行が貸出金の一部あるいは全額を回収できなくなる可能性を指します。例えば、貸出先の倒産で貸出しの元本と利息の返済が出来なくなるなどのリスクがそれにあたります。元本と利息の返済は、貸出先の将来の所得という不確実なものに依存しているため、信用リスクは常にあります。


証券の解説

証券(しょうけん)とは、財産上の権利を表す証書です。一定の権利と義務を持っていて、効率上の効力を持っているもので、金融商品取引法では「金融商品」にあたります。また、財産的価値がある株式や債券を「有価証券」といいます。財産的価値があるものですので、法定通貨である紙幣なども有価証券に分類されます。

金融商品とは、預金や保険、株式、投資信託、外国為替、債券、またそこから派生したデリバティブなど、銀行や保険会社、証券会社などを扱う商品です。


(参考ページ)
有事の円買い(リスクオフでなぜ円高になる?)






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