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クラウディングアウトをわかりやすく解説(効果と金利上昇・インフレについて)

クラウディングアウト



クラウディングアウトとは

クラウディングアウト(英語:crowding out)とは、政府が公共部門の資金需要をまかなうために国債を大量発行したり、減税など財政政策を行った場合、それが市中金利(市場金利)の上昇を招き、民間の資金需要の充足が困難になることです。


用語の解説

国債は、国が発行する債券のです。 債券は、投資家から資金を調達するために発行する借用証書です。債券は発行される時点で、利率や満期日が決められています。

減税とは、減税政策のことです。税金負担額を減少させて経済成長を促進する歳入(国の一会計年度における収入)面からの財政政策です。

財政政策は、国が財政(国が行う資金の調達・管理・支出などの経済活動)を通じて行う経済政策(国が経済目標を達成するために行う政策)のことで、公共事業の拡大や縮小、減税や増税などによって需要を拡大させたり縮小させたり、時に為替介入(国が為替に介入して意図的に価格を上下させることです)も行う政策です。

市中金利(市場金利)は、市場の需要と供給によって変動する金利です。金利は、お金の賃貸料です。預金や資金の利子や利息の割合です。簡単にいうと「お金のレンタル料」です。
金利はお金に対する需要と供給で変動します。お金を借りたい人が増えれば金利は上昇し、お金を借りたい人が減れば金利は低下します。こういった市場のお金への需要と供給によって変動する金利が市中金利(市場金利)です。



クラウディングアウト効果

国債の大量発行は、公的資金需要と民間資金需要に競合を生じさせ、民間への資金供給が押し出されることになります。民間の投資が抑制されるため、供給不足となり、インフレが起こりやすくなります。

一般には「クラウディングアウト効果」と言われます。「クラウディングアウト」とは、「押し出す」という意味です。


インフレの簡単な解説

インフレは、持続的な物価上昇を意味します。供給より需要の方が多い状態のことを指します。インフレになると物価が上昇するので、その前に買っておこうとする人が増えて供給が間に合わなくなり、欲しい商品がない状況になります。そのため少々高くても買いたい人が増えてさらに物価は上がりやすくなります。物価が上昇し始めると、”合成の誤謬”という現象が働きますので、物価の上昇はなかなか止まりにくくなります。合成の誤謬とは、みんなが同じことをすることです。

緩やかなインフレは、経済にはよいとされています。企業からすれば少し価格を上げても売れると思いますし、モノが売れるので業績がよくなって消費者は給料もボーナスも上がるので、インフレの始めのうちは消費者はあまり気にしないことが多いです。 ただ、物価が本来の価値に比べて高くなって、消費者がその価値に疑問を持ち始めると、同じ品質でより安いものを探すようになります。そうなれば、値上げした企業はモノが売れなくなって業績が悪化し。消費者は節約するようになり不景気になっていきます。不景気がヒドくなればデフレ(持続的な物価の低下)になります。

通常はこういったことから、インフレと好景気、デフレと不景気はセットで考えますが、不景気なのに物価が高くなることがあります。これを「スタグフレーション」といいまが、スタグフレーションは景気と関係のない物価上昇で、最悪な状態と考えられています。



金利が上昇したらどうなる?

国債の大量発行など財政政策によって市中金利が上昇すれば、民間の企業は金融機関から借入しにくくなって設備投資に慎重になり、また金融機関にとっても資金を企業へ貸し出すより国債購入にシフトした方が利益を得やすくなりますので、民間の企業の設備投資は、より抑制されることになります。金利上昇が上昇すれば住宅ローンや自動車ローンの金利も上昇してしまうため、消費者の消費行動も抑制されることになります。

経済への対策として行った国債の発行が、逆に民間の経済活動を抑制することになることもあるのです。こういった現象のことを「クラウディングアウト」といいます。



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